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2013年4月18日 (木)

「大神社展」

Daijinja 行ってきました、「神社展」。

しかし、このまるで百貨店の催し物みたいなタイトルのネーミングセンスのなさはどうしたもんでしょうね。この「」は、Greatって意味なのかしらん。でも「大寺院展」とか「大教会展」とかのおかしさを考えて見れば、わかりそうなものだけど。

などとブツクサ言いながら、オープンカレッジの受講生の皆さんと金曜日の午後4時に現地集合。混雑を避けるために夜間開館を狙ったのですが、その心配はいらなかったようで、かなり空いていました。やっぱり阿修羅くんとか「清明上河図」とかの集客力のあるスターがいないのは辛いなぁ。

201304134698 でもって、感想をひと言で言ってしまえば、宝物館のでかいヤツ
よく有名な神社に行くと宝物館と称する建物があって、神宝やら掛け軸やら、貴族や殿様が寄進したお宝なんかが雑然と並べられてるでしょ。要するにあれを大きくしたと思えばいい。
総花的で核のない展示といった印象。これでもかっとばかりにお宝を集めたのはいいけれど、きちんとした軸がないので、何を見せたいのかがよくわからない。

最近の展覧会は、コンセプトが明確で、見せ方もわかりやすいものが多いように思います。たとえばつい先日の「エルグレコ展」は素晴らしかった。西洋美術はまったくの素人の僕にも、エルグレコの芸術の美術史的な位置がよくわかる展示と解説でした(ちょっとうざいくらいの解説だった)。それに対してこの「大神社展」は狙いがはっきりせず、ただお宝をかき集めてみましたという感じ。国宝、重文の出品数から言えば、おそらくトップクラスであることは間違いないが、そのわりに「神社のすごさ」が伝わってこない。神社の歴史を系統的に見せるわけでもなし、神社とは何かを考えさせるわけでもなし。あれもこれも並べた結果、かえって焦点がぼけてしまった気がします。

それでは、これから観に行かれる方のために、鑑賞のポイントをいくつか。展示は6つのパートに分かれていますが、まず第一章「古神宝」と第五章「伝世の名品」はさらっと流しましょう。鏡だの刀だの着物だの鎧だのでたいして面白くないし、なにせ点数が多いのでこの辺をじっくり見ていると最後まで集中力がもちません。
逆にじっくり見るべきは、第三章「神社の風景」と第六章「神々の姿」です。「神社の風景」では宮曼荼羅や參詣曼荼羅、「神々の姿」では様々な神像が展示されています。聖なる場所としての神社の光景と様々な神のイメージ、今回の展覧会の肝と言ってもよい素晴らしさです。ぜひ時間をかけて見ていただきたいと思います。
残念だったのは第四章「祭りのにぎわい」。文字通り祭りの賑わいが実感できるのは最初の「祭礼図屏風」一点だけで、あとは装束やお面なので、そこから賑わいをイメージするのは難しいです。なんで近世に盛んに作られた祭礼図を並べなかったのか、理解に苦しみます。

全体の三分の一近くの作品が展示替えされるのですが、どちらかと言えば後半の方がいいものが出る気がします(普通は出足に勢いをつけるため最初に目玉をもってくるものだけどねぇ)。1回しか行かない方は、連休明けの後半の方がいいかもしれません。

昨日の授業で「神仏判然令」の話をして、鰐口の説明をしていてふっと思ったのですが、「大神社展」に鰐口や御正体は出品されていませんでした。銘によって年代や神社名が判明しやすい鰐口などは展示向きだと思うのですが、どうやら神仏分離で神前から撤去したものは展示しない方針らしいというのは穿ちすぎでしょうか。
結局、神仏習合色を排除しようとすると、神社の歴史や変遷を語ることが出来なくなってしまうというよい見本の展覧会であるような気がしました。

まあでも、これだけのものが一堂に揃うのは滅多にないことですから、ぜひこの機会に見に行っていただきたいと思います。

受講生の方たちに「勝手にギャラリートーク」をしながら観ていたら、係のお姉さんに怒られました。混んでいたんならともかく、かなり空き空きだったし、他の観覧者の方たちも頷きながら聴いて下さっていたので、いいじゃんよー。けち。

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