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2007年11月16日 (金)

三輪・伊勢同体

Mark Teeuwen さんの特別講義は、おかげさまで好評でした。
このブログで知って来てくださった方もいて、嬉しい限りです。そういうのを聞くと、もうちょっとマメに更新しなくちゃと言う気になりますね。おまけに、これをきっかけに今週から「神道概論」の授業にも、モグリで聴きに来て下さっている方もいらして(それも複数)、本当にありがたいこってす。「渋谷では絶対に聴けない神道概論」、これからもよろしくお願いします。
ところで当日Markさんの話を聞けなかった方のために、主題のひとつであった[Shinto の誕生」のもととなった論文 「Fron Jindo to Shinto」の日本語訳が、WEB上(國學院大學のCOE)に公開されているので、紹介しておきます。
そう言えば、去年の秋、國學院で「神道研究の国際的ネットワーク形成」というシンポがあって、Markさんが出るので僕も聴きに出かけたのですが、なんだか自分たちが持っているコンテンツをどうやって世界に発信するかという話ばかりだったので、思わず「海外の最新の研究情報をを取り込むこともしないと、井の中の蛙になっちゃうよ」と注文をつけてしまいました。あとで見たら、発表者のJohn Breen さんや Mark さんも、同じ趣旨の発言をしていて、どうやらMarkさんの論文の日本語訳がUPされたのは、そのせいのようです。
でも、Markさんは自分の論文が翻訳公開されていることを全く知らなくて、 ググって発見してびっくりしたそうです。そ、それって、ちょっとまずいんじゃないかい?別に悪いことしてるわけじゃないんだから、著者に連絡ぐらいしろよー。

でもって日曜日には、Markさんと一緒に国立能楽堂の金春会定期能へ出かけました。今、中国の大学へ能のワークショップをしに出かけているモリさんにチケットをいただきました。当日の演目は、「鶴亀」「呂蓮(狂言)」「三輪」「恋重荷」。今、「天の岩戸」をテーマに原稿を書いているMarkさんの取材も兼ねていて、もちろんお目当ては「三輪」。
最初の「鶴亀」は、中国の皇帝の年賀に、鶴と亀が舞うという祝言能で、特に筋はなし。鶴と亀を舞ったのは、顔つきもそっくりな子方の女の子ふたり。名前を見ると姉妹らしく、踊りもよく揃っていて、可愛らしかった。後で聞くと、有名な能面師のお孫さんであるらしい。
狂言は、な、な、なんと「人間国宝」野村万作師。どうりで、客がよく入っていると思った。
でもって、やはり万作様目当ての客が結構いたと見えて、「三輪」になると2割ぐらい客が減る。「三輪」は、9月にも見たばかりだが、やっぱりおもしろい。三輪明神→天鈿女命→天照大神と次々と神格が入れ替わっていってしまうところなんか、まさに中世神道説を具現化したようで、おもしろいったらない。能を観に行くときは必ず携えてゆく『能楽手帖』は、とても便利な本だけど、「三輪の神は本来男神であるはずなのに、シテが女性なのは巫女に憑依しているからだ」などと、いささかピントはずれなことを書いているのは、やっぱり30年近く前に出た本だから仕方がないところですかね。ここ30年の中世神道研究の進展が能に及ぼした影響はいかほどなんでしょうか。ツレの玄賓僧都の声が堂々としていて素晴らしかった。でも、笛がヘロヘロだったのが、唯一残念でした。
「恋の重荷」は、さすがにこちらも幽明の堺を行き来していたので、省略。堪能しました。

Ise さて、最後は展覧会。
今日、仕事の帰りに大宮公園の中にある埼玉県立歴史と民俗の博物館で「お伊勢さんと武蔵」という展覧会を観てきました。
「武蔵」はほんの添え物で、中心は式年遷宮がらみの勧進企画。なんたって、主催が「霞会館」だもん(わからない人は調べてみよう)。
でも、「鳥名子舞」とか「大大神楽」に関する資料がまとまって出ていて、これはよかった。いずれも明治になって廃止されてしまったのが惜しまれます。もしタイムマシンがあれば行ってみたいところのひとつが、幕末の「伊勢ワンダーランド」です。「赤福」のオヤジも、どうせやるなら、そこまで復元して欲しかったです。法楽舎や護摩堂も描かれた「伊勢両宮絵図」もよござんした。
ついでに今日のお題(?)「天の岩戸」つながりでいうと、篤胤が越谷の久伊豆神社に奉納した「天之岩戸開」の大絵馬が展示されていて、思わず「へえ」でした。Markさんにも教えてあげようっと。

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2007年11月 1日 (木)

特別講義のお知らせ

来週、11月6日(火)の「神道概論」の授業で、マーク・テーウェンさんをゲスト講師にお招きして、特別講義&トーク・セッションを開催します。タイトルは「神道ってシントウ?」です。
マークさんが最近の論文やコロンビア大学でのシンポジウムで提起された「Jindo→Shinto」論をめぐって、お話を聞いたり、僕がツッコミを入れたりします。ただしあくまで一般学生向けの授業ですので、あまり専門的なことには立ち入らないつもりです。
当日は、授業を取っている学生さん以外の方の来聴も歓迎しますので、関心のある方はぜひお越し下さい。時間と場所は次のとおりです。

11月6日(火)19:40~21:10(7限)
早稲田大学文学部(戸山キャンパス)36号館382教室(地図

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